神崎京介書店

記念すべき第一章は、大地が英語教師の島野潤子に呼び出されるところから始まる。「女性に触れたいと思う？」そう問いかける先生。中学生の主人公・山神大地にとって、それは新たな旅立ちを予感させるものであった。童貞である主人公のドキドキが耳から伝わる臨場感は必聴。

「これが先生の言っていた、服を脱がす愉しみなのか…」島野先生の導きのままに、山神大地は初めての女体を前に少しづつ、その感触を確かめていく。初体験という貴重な瞬間に焦点を当てた、まさに序盤のハイライトシーン。

童貞を失った大地に対し先生は、アパートでの初体験のことを誰にも言わぬようにと囁く。先生との出来事が忘れられず悶々とする大地の前に現れたのは、同級生の望月和子だった。東京から転校してきたいいとこのお嬢さん、というイメージの彼女が大地だけに見せる表情とは…。

「ねえ、もう一度、してみよっか」両親不在の自宅で同級生・望月和子は大地をキスへと誘う。まだ男女の交わりというものを知らない和子の心臓の鼓動が十二分に伝わる。誰しもが憧れる2人きりの自宅というシチュエーションを堪能できる初々しいエピソード。

大地に声をかけてきた女性は、まさに修善寺の劇場ポスターでも何度も目にしていた巡業のストリッパー、ローズ川口本人であった。誘惑に期待を膨らませる大地であったが、彼女からある秘密を知らされ…。後半のローズの感情の吐露に注目。

高校受験も間近に控えるある日、下駄箱に入っていたチョコレートは同級生の水原さゆりからであった。学校以外の場所で会いたい、という彼女のために大地は公園へと足を運ぶ。大胆すぎる告白に大地がとった行動は…そして、島野先生との関係は？

卒業式まであと10日。遊歩道で大地は、不良女子高生と遭遇する。面倒はご免だと視線を合わせなかった大地に、その不良たちは声をかけてくる。「元気にしてたか？」と…。

生まれて初めてのアルバイトに、先輩が紹介してくれたのは老舗旅館での掃除であった-。数多く登場する女性たちの中でもキー・パーソンとなる若女将との出会い。オトナの色香を存分に伝える内容は注目です。

「ふふっ、こんなこと、中学生に教えちゃ、まずかったかな」旅館の布団部屋で若女将により1歩、また1歩と大人へと磨かれていく大地。全ての男性たちの声を代弁するかのような大地の好奇心旺盛な言動は必聴です。

中学校の卒業式を終え、大地は島野先生の自宅にいた。お互いの体を求めあう2人。もう会えなくなると思っていたから、こうして先生と肌を寄せ合うことができて安心した、という大地の言葉に先生は優しく微笑むのであった。激しくも切ない第1巻クライマックス。